DTC P1133:DTC P1153
回路の概要
ヒーテッドO2センサ(HO2S)は、フューエル・コントロー
ルおよびキャタリスト下流の監視に使用されます。 各HO2S
は、周囲の空気の酸素含有量とエキゾーストを流れる空気
の酸素含有量を比較します。 HO2Sが正確な電圧信号を
供給するには、作動温度に到達している必要があります。
HO2S内のヒータ・エレメントによって、センサが作動温度
まで到達するのに要する時間を最小限に短縮します。 パ
ワートレイン・コントロール・モジュール(PCM)は、HO2S
に約450 mVのリファレンス(バイアス)電圧を供給します。
エンジンが始動したとき、PCMは開ループで作動してHO2S
の電圧信号を無視します。 作動温度に到達して閉ループ
状態になると、HO2Sは、バイアス電圧を境界にして0-
1,000 mVの範囲で上下に変動する電圧を発生します。
HO2Sの電圧が高い場合にはエキゾースト・ストリームが
リッチ状態であることを示し、HO2S電圧が低い場合にはエ
キゾースト・ストリームがリーン状態であることを示します。
この診断は、イグニッション・サイクル1回につき1度の
み実行されます。 PCMは、リッチからリーンおよびリーン
からリッチへの移行回数を監視します。 移行回数が規定
値より少ないのをPCMが検出すると、HO2Sバンク 1セン
サ 1の場合はDTC P1133が、HO2Sバンク 2センサ 1の
場合はDTC P1153がセットされます。
DTCの作動条件
•DTC P0101、P0102、P0103、P0106、P0107、P0108、
P0112、P0113、P0116、P0117、P0118、P0121、P0122、
P0123、P0131、P0132、P0134、P0135、P0151、P0152、
P0154、P0155、P0200、P0300、P0442、P0446、P0452、
P0453、P0455、P0496がセットされていない。
•[ECTセンサ]・パラメータが、60°C(140°F)を超えている。
•[EVAPパージ・ソレノイド要求] パラメータが、1 パーセ
ントを超えている。
•[MAFセンサ] パラメータが、20-55 g/sの間にある。
•[エンジン回転数] パラメータが、1,200-3,000 RPMの間
にある。
•[TPセンサ] パラメータが、5-パーセントを超えている。
•[ループ・ステータス] パラメータが閉じている。
•[イグニッション 1信号] パラメータが、10-18 Vの間にあ
る。
•[フューエル・タンク・レベル残量] パラメータが、10 パー
セントを超えている。
GMC 2500が組み込まれている場所
•[エンジン作動時間] パラメータが、160 秒を超えている。
•上記の各条件を満たした状態が、100 秒間継続する。
本DTCがセットされる条件
不具合のあるHO2Sの、リーンからリッチまたはリッチから
リーンへの移行回数が、較正値より少ないことをPCMが
検出した。
本DTCがセットされたときの動作
•2回目の連続したイグニッション・サイクルで、診断を実
行し不合格になった場合、コントロール・モジュールが
マルチファンクション・インジケータ・ランプ(MIL)を点
灯させる。
•コントロール・モジュールは、診断が不合格になった時
点の作動状態を記録する。 1回目の診断が不合格に
なった場合、コントロール・モジュールはこの情報を [
フェイラー・レコード] に保存する。 2回目の連続したイ
グニッション・サイクルで診断が不合格になった場合、
コントロール・モジュールは不合格になった時点の作動
状態を記録する。 コントロール・モジュールは、[フリー
ズ・フレーム] に作動状態を書き込み、[フェイラー・レ
コード] を更新する。
本MIL/DTCを消去するための条件
•3 回の連続したイグニッション・サイクルで診断を実行し
合格した場合は、コントロール・モジュールがマルチファ
ンクション・インジケータ・ランプ(MIL)を消灯させる。
•診断が実行され合格すると、前回のテストで不合格に
なった現行のDTCは消去される。
•連続した40 回の暖機サイクルで、この診断またはその
他のエミッション関連の診断によって不具合が報告され
ない場合、履歴DTCは消去される。
•スキャン・ツールでMILおよびDTCを消去する。
テスト概要
以下の数字は診断チャートのステップ番号に対応していま
す。
2:
電圧が規定値よりも大きく上下に変動している場合、不具
合は存在しない。
5-726エンジン・コントロール - 4.3L
5章 エンジン
ステップ
処置
数値
はい
いいえ
参照配線図: エンジン・コントロ-ル配線図
参照コネクタ端面図: エンジン・コントロ-ル・コネクタ端面図またはパワ-トレイン・コントロ-ル・モジュ-ル
(PCM)コネクタ端面図
1
「診断システム・チェック - エンジン・コントロール」を実行
したか?
―
ステップ 2へ
進む。
診断システ
ショックアブソーバreveiw
ム・チェック -
エンジン・コン
トロールへ進
む。
2
1.エンジンを始動する。
2.エンジンが作動温度に到達するまで待つ。 スキャン・
ツール・データ一覧表を参照。
3.エンジンを1,500 RPMで30 秒間作動させる。
4.スキャン・ツールを使用して、不具合のあるヒーテッド
O2センサ(HO2S)の電圧パラメータを確認する。
HO2Sの電圧パラメータは、規定範囲よりも大きく上下に変
動しているか?
250-625 mV
ステップ 3へ
進む。
ステップ 4へ
進む。
3
1.このDTCの [フリーズ・フレーム/フェイラー・レコー
ド] を確認する。
2.イグニッションを30 秒間OFFにする。
3.エンジンを始動する。
4.「DTCの作動条件」の範囲内で車両を作動させる。 [
フリーズ・フレーム/フェイラー・レコード] で確認した
条件の範囲内で車両を作動させてもよい。
このイグニッションで、同じDTCがセットされたか?
―
ステップ 4へ
進む。
断続的な不具
合へ進む。
4
1.イグニッションをOFFにする。
2.不具合のあるHO2Sを切り離す。
3.エンジンを停止した状態で、イグニッションをONにす
る。
4.スキャン・ツールを使用して、HO2Sの電圧パラメータ
を確認する。
HO2Sの電圧パラメータは規定値より低いか?
100 mV
ステップ 6へ
進む。
ステップ 5へ
進む。
5
1.エンジン・ハーネス側にあるHO2Sハーネス・コネクタ
の高信号回路と良好なアースの間に、3Aヒューズ付き
ジャンパ・ワイヤを接続する。
2.スキャン・ツールを使用して、HO2Sの電圧パラメータ
を確認する。
HO2Sの電圧パラメータは規定値より低いか?
100 mV
ステップ 8へ
進む。
ステップ 7へ
進む。
6
HO2Sの高信号回路に、HO2S低信号回路へのショートが
ないかテストする。 「ワイヤリング・システム」の回路のテ
ストおよびワイヤの修理を参照。
不具合を発見して修正したか?
―
ステップ 14へ
進む。
ステップ 11へ
進む。
7
HO2Sの高信号回路に、断線または抵抗過大がないかテ
ストする。 「ワイヤリング・システム」の回路のテストおよ
びワイヤの修理を参照。
不具合を発見して修正したか?
―
トランスミッション流体2002トヨタカムリを確認する方法
ステップ 14へ
進む。
ステップ 11へ
進む。
5章 エンジン
エンジン・コントロール - 4.3L5-727
8
1.前のステップで取り付けたジャンパ・ワイヤを取り外
す。
2.エンジン・ハーネス側にあるHO2Sハーネス・コネクタ
の高信号回路と、同じくエンジン・ハーネス側にある
HO2Sハーネス・コネクタの低信号回路の間に、3A
ヒューズ付きジャンパ・ワイヤを接続する。
3.スキャン・ツールを使用して、HO2Sの電圧パラメータ
を確認する。
HO2Sの電圧パラメータは規定値より低いか?
100 mV
ステップ 10へ
進む。
ステップ 9へ
進む。
9
HO2Sの低信号回路に、断線または抵抗過大がないかテ
ストする。 「ワイヤリング・システム」の回路のテストおよ
びワイヤの修理を参照。
不具合を発見して修正したか?
―
ステップ 14へ
進む。
ステップ 11へ
進む。
10
HO2Sに、端子のショートおよび接続不良がないかテストす
る。 「ワイヤリング・システム」の断続および接続不良の
テストおよびコネクタの修理を参照。
不具合を発見して修正したか?
―
ステップ 14へ
進む。
ステップ 12へ
進む。
11
パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM)に、端
子のショートおよび接続不良がないかテストする。 「ワイヤ
リング・システム」の断続および接続不良のテストおよび
コネクタの修理を参照。
不具合を発見して修正したか?
―
ステップ 14へ
進む。
ステップ 13へ
進む。
12
注意:
「警告および注意」のヒーテッドO2センサのシリコン
汚染に関する注意を参照。
重要:
HO2Sが、汚れによって損傷する場合がある。 HO2S
を交換する前に、以下の汚染源がないか点検する:
•シリコンによって汚染されたHO2S
•フューエルの汚れ―フューエル内のアルコール/汚れの
診断(専用工具なし) フューエル内のアルコール/汚れ
の診断(専用工具使用)を参照。
•エンジン・オイルの消費―「エンジン・メカニカル」の
オイル消費量の診断を参照。
•エンジン・クーラントの消費―「エンジン・クーリング」
のクーラントの喪失を参照。
不具合のあるHO2Sを交換する。 ヒーテッドO2センサ
(HO2S)の交換 バンク1センサ1またはヒーテッドO2セン
サ(HO2S)の交換 バンク2センサ1を参照。
交換が終了したか?
―
ステップ 14へ
進む。
―
13
PCMを交換する。 パワートレイン・コントロール・モジュー
ル(PCM)の交換を参照。
交換が終了したか?
―
ステップ 14へ
進む。
―
ステップ
処置
数値
はい
いいえ
5-728エンジン・コントロール - 4.3L
5章 エンジン
14
1.スキャン・ツールを使用して、DTCを消去する。
2.イグニッションを30 秒間OFFにする。
3.エンジンを始動する。
4.「DTCの作動条件」の範囲内で車両を作動させる。 [
フリーズ・フレーム/フェイラー・レコード] で確認した
条件の範囲内で車両を作動させてもよい。
このイグニッションで、同じDTCがセットされたか?
―
ステップ 2へ
進む。
ステップ 15へ
進む。
15
スキャン・ツールを使用して、[情報の読み取り] を確認
する。
まだ診断していないDTCがあるか?
―
故障診断コー
ド(DTC)一
覧表へ進む。
システムは正
常。
ステップ
処置
数値
はい
いいえ
5章 エンジン
エンジン・コントロール - 4.3L5-729
診断情報および手順
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